ベンチャー企業の生命線である“一体感”を重視
執務スペース全景  株式会社オールアバウト(以下オールアバウト)は、総合情報サイトの制作・運営やインターネット広告事業を展開している気鋭のベンチャー企業だ。少人数で発足した会社では「急速な人員増によるスペース不足」「フロア分散による連携の非効率化」がよく見られるが、同社もこの問題を抱えていた。「特に、少人数で規模の大きいライバル会社とと競争するようなベンチャー企業では、従業員同士が信頼してスピーディーに連携をとれるかどうかが生命線になる。お互いの顔が見える執務環境が必須だとなったわけです」(オールアバウト経営企画部・エグゼクティブプランニングマネジャー・西村俊彦氏、以下同)。こうして「従業員をワンフロアに集約できる広さ」と「情報発信地としてふさわしい立地」を条件に、物件情報を収集。最終的に、恵比寿駅にほど近い新築ビルを選択した。このとき、移転とは別に検討していた社名とサイト名の統一も実施することになった。「ブランドを統一して、よりPR効果を高めようという狙いです。環境とともにブランド名を一新することで、内外へのインパクトが強まりますし、関係者への連絡も1本化できますから」
●スペースの使い方を見直して什器を新調
机  移転後のレイアウトでは、将来の人員増に備えて省スペース化にも配慮した。「以前は個々に専用のデスクがありましたが、移転後は1枚板の長テーブルを複数の従業員で使う形式にしたんです。これだと、机の脚を共用する分、1人当たりのスペースを節約できます。実際に使用して分かったことですが、省スペースになった割には個々が狭さを感じないというのもメリットですね」。また、レイアウト変更が多い同社にとっては、ワゴンを移動するだけで席替えできるのも有効だという。こうして生じた余剰スペースには、将来を見越した空席や、気軽に使える打ち合わせスペースを新設。重要テーマだったコミュニケーションの活性化を実現させている。
●会議室を増やして、数多い打ち合わせに対応
会議室  メディアを扱う企業の特性のひとつが、社内の打ち合わせが多いこと。オールアバウトでも、サイト制作や運営にまつわるミーティングが多数行われている。「このため、以前は4カ所だった会議室を7カ所に増やしました。執務スペース内にも簡単な打ち合わせスペースを確保しましたから、従業員同士もスピーディーに連携をとれるようになったと思います」。なお、オープンなイメージを演出するため、オフィス内の間仕切りにはガラスを多用。来客時に会議室を使う際などは、必要に応じてブラインドを使う。天井が高いこともあって、全体的に開放的で明るい空間に仕上がっている。
●リラクゼーションルームの設置もコミュニケーション活性化の有効手段
リラクゼーションルーム  「以前のオフィスでは、途中でリラクゼーションルームを設けたんですよ。このスペースで過ごす従業員を見ていて、情報交換の場としては予想以上に効果が大きいと感じたんです。コミュニケーションインフラを整備するという意味では、外せない要素だと判断しました」。言葉のとおり、新オフィスのリラクゼーションルームは、かなり広くとられている。雑誌や新聞に加えてアルコールも置き、自由で活発なやりとりができるように配慮している。
●レセプション部分は、来客以外の目も意識してデザイン
共用エントランス
オールアバウトのレセプション部
 オールアバウトの新オフィスはビルの1階に入っていて、共用エントランスの近くに位置する(写真上)。同社への来客だけでなく、ビル内の他のオフィスに用事がある人の目にも触れる機会が増えたわけだ。このため、レセプション部分の会社の顔としての役割は大きい。「以前は単なる出入り口といった感じで、見た目にはほとんど配慮していませんでした(笑)。ここでは、しっかり企業イメージを発信していこうと」。そこでデザインにも意匠を凝らしたのだという(写真下)。「社名やサイト名のロゴで使われている赤をアクセントに使ってミッドデザインで統一しました。世間に対するPR効果も高まっていると思います」。
●オールアバウトのレイアウト図
間取り1
会社データ