コンセプトを明確に設定した環境づくりで、オフィスのあるべき姿を実現
執務スペース(全景)  モバイルコンテンツの企画開発などを手がける株式会社ゆめみ(以下ゆめみ社)が、移転を実施したのは2004年11月だ。移転プロジェクト推進にあたっては、経営の中長期計画を見据えたという。「単にスペースを増やすだけでなく、売上目標値も高めていかなければならない。それを実現できる環境整備をテーマにしたのです」(ゆめみ社管理本部総務部長・真保昭氏、以下同)。その第一歩として、移転先には赤坂のテナントビルを選択した。「山手線の内側にあって複数の鉄道路線を使えますし、大きな幹線道路に面していて、初めていらっしゃる方にも分かりやすい。希望に見合った坪単価であったことも選択の大きな要因でした。」
●フレキシビリティを重視して、執務スペースはフリーアドレスに
執務スペース(机寄り)  コンテンツ開発に携わるエンジニア社員の座席には、フリーアドレスを採用。机・イスを可動式にして、座席ごと移動できるようにした。「担当するプロジェクトによって3人のチームもあれば、10人のチームもあります。また、プロジェクトが変わればメンバーも変動する。こうした業務特性に考慮して、席替えの手間を簡略化させたわけです。座席の移動に伴うセキュリティの管理が重要なので、ネットワークはワイヤレスを導入。通信は自社の主力事業でもある携帯電話をすべての社員に配布し、トレンド情報の収集にも役立たせています」。一方で、書類が多い総務や管理部門などの机は固定化するなど、業種に合わせて執務環境の整備法にも柔軟性を持たせている。
●来客の目に触れるパブリックスペースは、テーマパークを意識
会議室(Imagination)
会議室(Universal)
 ゆめみ社の業務特性のひとつに、各種打ち合わせや契約締結など、顧客を迎え入れる機会が多いことが挙げられる。そこで、会議室の数は以前の3倍である6カ所に増やした。ユニークなのは、各会議室のデザインがまったく異なること。「各会議室にテーマに沿った名前を付け、デザインには色彩心理学の考え方などを取り入れました」。例えば、写真上の会議室名は「Imagination」。創造性を刺激するといわれるイエローやレッドを取り入れ、クリエイティビティが重視される打ち合わせを想定している。また、写真下は「Universal」。空が広く写った写真パネルを壁一面に貼ってある。「ここで全社員会議を実施することもあり、空に向かってはばたくようなイメージ喚起を狙いました。いずれも顧客との関係強化を狙い、訪れていただくごとに異なる環境を提供し、新たな感動と、創造的な提案が提供できるようなスペースづくりを心がけた結果です」
●先端のパフォーマンスを披露できるアイテムも導入
入退出管理ベンダー  同社の執務スペースの出入り口には、携帯電話をIDカード代わりに使える電気錠が設置されている(写真左)。また、会議室脇に設置したジュースの自販機は、携帯電話を使った電子決済に対応した機種だ(写真右)。「利便性も向上しますが、顧客に対する話題づくりという意味合いを強く持たせたアイテムですね。当社では、事業柄“携帯電話でどんなことが可能になるのか”を顧客に紹介することも大切です。これなら、接客中に手軽に披露できますから」
●会社のCI戦略も兼ねたレセプションスペース
レセプションスペース  「“会社にカラーは要らない。社員に個性を持たせるべき”というのが当社のモットーです。レセプションスペースではそれを表現したんですよ」。このため、会社を表す壁の地色はグレーで、ここに社員をイメージした色とりどりのパネルがはめてある。さまざまな工夫を施したオフィス整備の成果は、社員や顧客の反応に表れ始めているようだ。「来客からは、面白がっていただいたり、驚かれたりしています。また、社員は自信を持って接客できますから“自分はすごい職場で働いている”という意識が高まると思います。こうした効果が、将来のさらなる社員増や売上増に結びつけられればと考えているのです」
●ゆめみ社のレイアウト図
レイアウト図
会社データ