社員はもちろん、学生や来客の感性も刺激する空間を創出
応接スペース  株式会社教育と探求社(以下E&Q社)は、学習支援事業を手がけるベンチャー企業だ。会社設立でオフィスを構築した際、ユニークだったのがそのコンセプト。「既存の“あるべき論”をなくして、クリエイティビティを刺激する空間をつくリたいと思いました。ですから、設計会社さんにもワガママを通してもらって、他の会社にはないオフィスを整備したんですよ」(E&Q社代表取締役・宮地勘司氏、以下同)。その一例が、写真の応接スペースだ。エントランスはスペースの無駄ということで省略したため、エレベーターを降りた来客の目には、すぐにソファやカウンターがあるこの空間が飛び込んでくる。多くの人が無意識に抱く「オフィスはかくあるべき」という固定概念を打ち破るインパクトの強さと、どことなくホッとさせるインテリアが絶妙にマッチしているのが面白い。
●明るく開放的な営業社員用の執務スペース
執務スペース(大)  100m2弱の空間を3室に仕切り、うち2室が執務スペースに充てられている。右写真は約50m2の執務スペースで、7名の営業系社員が利用している。ここで特徴的なのが応接スペースとの仕切りだ。「社員から“閉塞感があるとアイデアも詰まる”という指摘があったので、大きなガラスをはめ込んで開放感を出しました。仕切りのグリーンは、社員が自分で塗料を買ってきて塗装したんですよ」。スタッフの自由な発想と高いモチベーションがうかがえる。
●実務に配慮したクリエイター社員用の執務スペース
執務スペース(小)  コンテンツ制作や出版などを手がけるE&Q社には、編集やデザインを担当するクリエイター系社員がいる。そこで、オフィス内にはクリエイターズルームを確保。さらに作業に集中しやすくするため、各社員が壁や窓に向かって座るように机を配置している。また、部屋の中心には大きな打ち合わせ用デスクを設置。複数パターンの印刷物を並べて選定したり、資料を広げてカメラマンやライターと打ち合わせる際などに配慮している。
●だれもがリラックスして望める会議室
会議室  会議室が畳敷きなのも、E&C社のオフィスの特筆すべき特徴だ。「会議用机やイスなどのファニチャーに無駄なお金をかけたくないという話から派生して、この形式になったんですよ。ただ、使ってみると意外な効果があることが分かりました。あぐらをかくなど、リラックスした状態で話し合うと、お互いに余計な前置きや建前抜きで、本音の意見交換がしやすいんです」。ちなみに同社では、学習プログラムの開発などに、学生の声を積極的に取り入れている。このため、来訪する学生たちに、ここが居心地がよい場所だと感じてほしいそうだ。「今の学生たちは非常に高い能力と感性を持っています。これを活かすことで、学習プログラムをさらに良いものにしたい。学生がよろこんでこのオフィスに集まってくれれば、自然と、アイデアを交わしやすい雰囲気になり、そこから創造性が生まれてきますから」。
●独創的なインテリアも、低予算で購入
執務机  E&Q社のオフィスに使われている什器や、応接スペースのソファ類などは、インテリア性が高いものばかりだが、実はそれほどお金をかけていないという。例えば、従業員の執務机は「インターネットで安売りされているのを見つけて、購入しました。市価の5分の1だったんですよ(笑)。応接スペースのカウンター部分に置いた丸イスも、ボロボロだったものを安く買ってきて、社員が自主的に塗り直したり布を張り替えたりして作ってくれました。オフィスの賃料も、築年が古いので安くて、当初予定したスペースの倍の広さで確保することができました」。多額の資金をかけなくても、独創的なオフィス構築ができる例として、大いに参考になりそうだ。
●教育と探求社のレイアウト図
レイアウト図
会社データ
 取材協力:イデーアールプロジェクト株式会社