十分なスペースを確保し適切に配置。ブランディングと能率向上に成功
株式会社ラストリゾート
会社紹介
留学やワーキングホリデーなどの海外生活支援が主業務の株式会社ラストリゾート(以下LR社)は、1998年に大阪市で設立された企業だ。翌年には東京に支店を開設し、続けて本社機能も移管するなど、順調に業績を伸ばしてきた。東京支店開設時には4名だった従業員数も現在80名と当初の見通し以上に増加したため、本社に入りきらず、別ビルにもスペースを借りて対応してきたという。2004年には、同社の大きな目標のひとつであった上場の準備段階に突入。これを機に、再び社員の力を集結させ、対外的にもPR効果を見込めるオフィス構築を目指すこととなった。改めて必要な広さを検討し、2005年3月に308坪のオフィスへと移転を実施した。
>>>店舗スペースを大幅に増床。企業の信頼感を与えるつくりに
エントランス  LR社の東京本社は、店舗を併設している点が大きな特徴だ。移転前のLR社のオフィス・店舗は、約150坪。これに加えて約50坪のスペースを外部に借り増ししていた。移転先探しでは当初、この200坪に今後の増員を見越した50坪をプラスして計250坪のスペースを確保しようとしていた。「ですが、せっかくなら店舗スペースも広くとり、機能を拡充してよりシンボリックなものにすべきだという意見が出て、308坪の物件を借りることになったのです」(LR社 社長室・平永さん)。このおかげで店舗部分は、十分な接客体制を確保しつつ、ゆとりある空間を構築できている。写真のエントランス部を見ても分かるとおり、来客にとっては印象深いだけでなく、企業の安定感・信頼感も得られるようなつくりになっている。
>>>面談ブース、カフェテリアといった目的に応じた接客スペースを用意
面談ブース カフェテリア  海外生活を希望する個人客とは、1対1で入念に面談する。このため、店舗内には8カ所の面談ブース(上写真)が設置されている。「面談ブースは、きちんと対面して話し合えることと、お客様が安心して打ち合わせに臨めるような雰囲気を意識しています」。また、今回の移転では、面談ブース以外にも接客用のスペースを設けている。そのひとつがカフェテリア(下写真)だ。「海外で何をしたいのかや、具体的な日程・費用についてなど、重要な相談には面談スペースを使います。その一方で、日常会話に関する素朴な疑問など、リラックスしたほうが質問しやすいことがらも多い。このため、カフェテリア形式のスペースやカウンター形式のスペースも用意して、相談したい内容によってお客様が使い分けられるようにしたわけです」
>>>新しいオフィスプランには社員の声を多数反映、社員のモチベーションも高める
セミナールーム  LR社では、海外生活希望者向けのセミナーを実施する機会も多い。このため、店舗の一角には大きめのセミナールームも設置している。ユニークなのが、設置することになった経緯だ。「移転前に社員にヒアリングを実施して、要望をリサーチしました。先ほど触れたカフェテリアや、こちらのセミナールームは、現場で働く社員からの声を反映して設置したんですよ」。もちろん主目的は顧客満足を得るためだが、自分の意見がオフィス構築に採用されることで社員のモチベーションも高まる。「移転やオフィス・店舗構築という、会社を挙げてのプロジェクトに、自分も参加しているんだという実感が持てます。今回の移転の目的は、単に環境を改善することだけでなく、上場に向けて全員が一丸となることも含まれます。そういう意味では、さまざまな側面で、有意義な移転プロジェクトを推進できたと思っています」
>>>営業部門は出入り口近くに……過去の反省を踏まえて各部署を再配置
執務スペース ミーティングスペース  オフィス部分(上写真)では、分散されていた部署同士の配置について熟考したという。「外部に借り増しする前のオフィスでは、単に机を並べただけの機械的な座席配置でした。このため、営業部門の熱気が分散されてしまったり、静かな環境が望ましい管理部門が落ち着かない雰囲気だったりと、どの部門にとっても執務環境に問題がありました」。そこで、管理部門にはきっちり仕切りを設けて集中できる環境を用意したり、出入りが多い営業部門は通用口付近に配置するなど、工夫を凝らしている。また、執務スペース中央部にはミーティングスペースを配置(下写真)。壁は透光性があるので会議の堅苦しさが和らぎ、また重要な会議の際には引き戸を閉めて機密性を保てるようにしている。「社員同士の打ち合わせで気軽に使えるという実用面でのメリットはもちろんですが、部門を分ける仕切りの役割もあるので、部門間に適度な距離が生まれる点や、部門をまたいだ打ち合わせのことを考えても、いい位置だと考えています」
>>>ラストリゾートのレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 片岡正一郎