社員の創造力を高め、企業の独創性も表現するオフィスづくりを実現
株式会社ワイキューブ
会社紹介
企業の採用活動や人材育成、営業力強化のコンサルティングを主業務として、成長を続けている株式会社ワイキューブ(以下YC社)。市ヶ谷にある本社が、人員増や事業規模の拡大に伴ってオフィス拡張の必要性が出てきた際、同社がとった解決策は、移転ではなく東京第二オフィスの新設だった。その狙いは、基点を増やすことによる業務効率の向上と、第二オフィス自体の広告効果。新しい価値観の創出を存分に表現できることを条件に探した結果、恵比寿の物件を選定。2005年11月、同社は、ここで従来のオフィスに対する固定概念を打ち破る空間をつくりあげた。
>>>フリーアドレスの先を行く“フリーオフィス”を実現
バール  YC社のオフィス新設で最も斬新なのが、社員が勤務地を選べる“フリーオフィス”体制を実現させたことだ。「その日の移動の都合や従事する業務の内容によって、こちらのオフィスでも本社でも、好きなほうを選んで出社できるようにしました。立地も含めて執務環境のバリエーションを増やし、より効率よく働けるスペースを選べるようにしたわけです」(YC社コンセプトプロデューサー・高橋氏、以下同)。またそれに伴い、社員はなるべく紙の資料を持たず、ノートパソコン1台あれば業務ができるようにしている。「資源の節減にもなりますし、顧客情報のセキュリティ面でも安心です」。新オフィスでは写真の「バール(BAR)」と呼ばれるスペースと、バックオフィスを設置。前者は不特定の社員が自由に使い、後者には、固定席が必要な顧客窓口や管理部門を配置している。「バールは文字どおり飲食店のような空間にしてありますが、れっきとした社員専用の執務スペースなんですよ(笑)」
>>>社員の創造性を高めるバール内のレイアウト
カウンター ボックス室  YC社の主業務は、顧客のビジネスを拡大すべく、さまざまな分野にわたって新しい価値観を提案していくこと。バールは、社員にアイディアを創出しやすい環境を提供する目的で設置されたフリーアドレスの執務スペースだ。「同じバール内で、カウンター(上写真)、ボックス室(下写真)などオフィスらしからぬスペースを用意してあります。各スペースに高低差をつけることで、利用者同士の視線が合わないようにしました。集中力を維持できるようにという配慮です」。これにより、ひとりで物思いにふけりたいとき、複数で打ち合わせをしたいとき、パソコンや書類を広げたいときなど、社員はケースバイケースで好きな場所を選択できる。またカウンター内にいる専属のバリスタ(コーヒーを入れるスタッフ)が入れるコーヒーを飲みながら、リラックスした状態で仕事ができるのもユニークな点だ。「事務業務の効率ではなく、発想の効率を高めることを意識した結果が、このスペースなんです」
>>>本社との統一感を意識した基本デザイン
エントランス  オリジナリティーにあふれる空間が構築されているYC社の新オフィスだが、一方で本社との統一感にも配慮しているという。「本社ではローズウッドという木材を多用していますので、こちらでも同じ素材を導入しています」。それがよく分かるのが、写真のエントランス部分。これにより、本社と同一企業であることと、企業活動に斬新さや多面性があることをバランスよくPRできている。
>>>自社のカラーを印象づけるパブリックスペース
通路 応接室  エントランスから応接室につながる通路(上写真)や応接室(下写真)のデザインも、一般のオフィスとは趣を大きく異にしている。「当社がクリエイティブ集団であることを印象づけるのが狙いです。顧客に独創性を認めていただくことは、当社が事業を展開するうえで非常に重要なことですから」。また、こうしたメッセージは、社員に向けられたものでもあるという。「いくら身に着けるものにお金をかけていても、中身が伴っていなければみっともないですよね。オフィスも同様で、中で働く人間が器にふさわしくなければ格好がつかない。社員に対しても、いい意味でプレッシャーになると考えています」
>>>株式会社ワイキューブのレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 片岡正一郎