将来の移転コスト節約も視野に入れたオフィス選び
株式会社ビービット
会社紹介
株式会社ビービット(以下ビービット)は、インターネットビジネスの支援事業を展開しているベンチャー企業だ。執務環境を積極的に変化させて、会社や社員に刺激を与えるべきと考える同社では、2000年の設立以来、オフィスの賃貸契約が満了するたびに移転を実施してきた。しかしながら、社員数や事業規模の拡大にともない、今後は移転コストにも従来以上の配慮が必要と判断。そこで、今回の移転先には大型オフィスビルを選択した。これで次回の契約満了時には、移転だけでなく既存オフィスをベースにした増床も検討できるようになったわけだ。以降では、移転前後の写真を比較しながら同社の戦略的なオフィス構築法を見ていこう。
>>>ゆとりある、広々としたエントランスを設置
■エントランス
After(移転後)
エントランス(After)   ▲
Before(移転前)

エントランス(Before)
 以前のオフィスではエレベータードアのすぐ前が社内の通路になっていたため、社名のロゴを記したカウンターを設置しただけだった。移転後は、よりデザイン性に富んだカウンターをあつらえ、レセプションもゆとりある広さを確保。「グローバルな事業展開を目指すなかで、当社が日本発の企業であることをPRしようと、鳥居をイメージしたデザインにしました。低コストでも見栄えをよくできることや、汚れが目立たず長く使えることから、カラーには黒を取り入れています」(ビービット取締役業務執行責任者・武井氏、以下同)。また、社外の人が利用することになる会議室やネットユーザー行動調査用のテストルーム、モニタルームはレセプションを囲むように配置。対社外用エリアと社内用エリアを明確に分離することで、セキュリティに配慮したレイアウトになっている。
>>>将来の人員増を視野に入れた執務スペースに
■執務スペース
After
執務スペース(After)   ▲
Before

執務スペース(Before)

■打ち合わせスペース
After
カフェコーナー(After)   ▲
Before

社内用打ち合わせスペース(Before)
 以前の執務スペースの広さは約124m2で、36席分とってあったが満席状態だった。一方、新オフィスでは倍以上の約309m2を執務スペースに充てている。「現在の従業員数は、社員が25名でアルバイトが10名ですが、80名まで増えてもワンフロアで一緒に働けるような広さにこだわりました」。現在はかなりスペースに余裕がある状態だが、「社員の間に自然に“人で埋めたい”という意識が生まれたり、会社を訪問した学生に好印象を与えるなど、さまざまなビジネスチャンスにつながると考えています」。また、カフェコーナーはオフィス内のもっとも眺めのよい場所に新設。小休止や、集中作業、社員同士の情報交換など、さまざまな目的で使われているという。なお同社では、執務スペースが広くなることで社員同士の情報共有が不十分になることを危惧したという。そこで、カフェコーナーは従業員用出入り口の対角に配置したほか、小会議室や打ち合わせスペースも執務スペースの角に。「打ち合わせや小休止に向かう社員の動線を長くすることで、社員同士が顔を合わせる機会を増やそうという狙いからです。ただ、社員個々にも自覚があるようで、自主的に情報共有の機会を増やしているようです。これはうれしい誤算でしたね」
>>>事業の中核を担うネットユーザー行動調査用のスペースを拡充
■テストルーム
After
テストルーム(After)   ▲
Before

テストルーム(Before)

■モニタルーム
After
モニタルーム(After)   ▲
Before

モニタルーム(Before)
 ビービットの事業の核になっているのは、インターネットビジネスのネットユーザー行動調査だ。「想定ユーザー層の被験者を、カメラ付きのテストルームに招き、実際にインターネット画面を見てもらったり、率直な感想を述べてもらいます。その様子を別室のモニタルームでクライアントに見てもらい、改善点などを探っていくわけです」。以前はテストルームが2カ所と会議室兼用のモニタルームが1カ所あり、同時に2本のテストを実施できるようにしていた。新オフィスでは、これをさらに強化。会議室と兼用にしたスペースを含めた全部で9カ所を確保し、最大で5本のテストが同時進行できるようになった。「以前のテストルームは2カ所とはいえ、1室をパーティションで仕切っただけだったので、同時にテストを実施すると音が隣に聞こえてしまう状態でした。被験者からやりづらいという声が多く上がっていたため、完全な個室を用意することも課題でした。これでテスト本数を増やせるだけでなく、クオリティーも上がると思います」
>>>会議室は用途のバリエーションも考えて設置
■中会議室 中会議室

■大会議室 大会議室
 前述したように、以前のオフィスではモニタルームと兼用の会議室が1室あるだけだったが、移転に伴って会議室(上写真)を2カ所確保したほかに、大会議室(下写真)も設置。それぞれ異なるデザインコンセプトで仕上げている。「大会議室は、定期的に実施する全社会議や、定期採用者向けのセミナーを想定して設置しました。当初は、新設するほど必要性に迫られてはいないのではという声もありましたが、実際に設置してみると社員同士のランチミーティングから来客の応対まで、幅広く使われています。“場所がある”という安心感から、活用のアイデアが出てくるのかもしれませんね」
>>>ビービットのレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 木内 博(移転前オフィス)
飯田照明(移転後オフィス)