多彩な打ち合わせスペースを拡充、フリーアドレス制の導入も
ベンキュージャパン株式会社
会社紹介
ベンキュージャパン株式会社(以下ベンキュージャパン)は、液晶モニターやプロジェクターなどのパソコン周辺機器やデジタル家電を手がける外資系メーカーだ。以前は田町駅から徒歩約10分の場所にオフィスを構えていたが、規模の拡大にともない、いくつかのセクションを分散させることになってしまった。しかし、事業範囲を拡張し、液晶テレビなど国内では発売していない製品も扱う予定もあるため、同社はオフィスの抜本的な見直しを実施した。必要な広さを300m2以上とし、エリアは、量販店などの大口顧客が多い新宿や秋葉原などへのアクセスを考えて都心部の麹町を選択。駅からの所要時間も3分と、よりアクティブな営業活動を可能にした。このほか、多彩な営業戦略を盛り込んだというオフィス構築法を見てみよう。
>>>自社ブランド・製品PRのためにショールームを設置
ショールーム エントランス  ベンキュージャパンが、自社ブランドを立ち上げて製品展開を始めたのは5年前。「ブランドの知名度を上げていくことが、現在の最優先課題です。そこで、新オフィスでは精力的に広報活動を展開できるようにショールームを設置しました」(ベンキュージャパン代表執行役社長・マーティン・モーレ氏、以下同)。オフィス内に入った来客の目には、まずはじめに、デモルームにある大きなスクリーンに映し出されたプロジェクターの画像が飛び込んでくる(上写真)。また、エントランスを入った左手には製品を陳列し、ショールームに。奥の会議室まで、製品を紹介しながら案内できるようなレイアウトになっている。「客先にサンプルを持参していた以前よりも説得力のある説明が可能になりました。特に新製品などの場合は、十分に機能を理解してもらう必要がありますから、大きなメリットになっています」。また、ショールーム周辺やエントランス周辺(下写真)にはコーポレートカラーである紫色のカーペットを使ったり、広報用のポスターを配置するなど、洗練された雰囲気を表現。企業やブランドのイメージアップにつなげている。
>>>バリエーション豊かなミーティングスペースを用意
ミーティングスペース 会議室  移転に当たり、同社では従業員からリクエストを集めたが、特に多かったのが、打ち合わせ用のスペースを拡充してほしいという声だった。「以前は、簡易パーテションで仕切ったスペースが3カ所あるだけでした。社内外を問わず、コミュニケーションを活性化するのが移転の狙いのひとつでしたから、今回は目的によって使い分けられるようにバリエーションをつけて6カ所確保しました」。適度な独立性と開放感を両立させた八角形のスペースやカウンターを設置したラウンジ(上写真)は、主に社員向け。床をフローリングにして住宅のようなテイストを出し、リラックスした雰囲気を演出している。一方で、社外の来客向けには、すでに紹介したプロジェクター設置部分のデモルームのほか、完全に独立した会議室を確保した(下写真)。遮音性の高い可動式パーテションを開けば、隣の会議室とつなげて使うことも可能。人数や目的に応じて使い分けている。
>>>分散していたセクションの集約で業務効率も向上
執務スペース  移転前のベンキュージャパンでは、マーケティング部門と営業部門が本社オフィスに、経理・人事・総務と、製品購入者からの問い合わせに応じるテクニカルサポートセンターが別ビルの物流センターに入っていた。「このため、離れたオフィス間の行き来が多く不便な状態でした。新オフィスでは、十分な広さを執務スペースに充当することで機能を集約し、本来の効率を取り戻しました」。配置にあたり、注意したのは各セクションの距離感。隣接部署の声や音をうるさく感じないように離す一方で、社員の存在はお互いに感じられるようにしてあるという。こうした配慮が功を奏し、「ミーティング用のスペースを増やしたこととの相乗効果で、メールによる事務的なやりとりから、直接顔を合わせた対話が増えました。コミュニケーションが活発になると同時に、連帯感も強まったと思います」
>>>外まわり中心の社員の席はフリーアドレス制を導入
フリーアドレスのデスク  なお、執務スペース内では、新たな試みも導入。営業部門のなかでも、外まわり中心の社員の机は小さめにして、フリーアドレス制にした。「今のところ対象は4名で、座席は5つありますが、将来的に社員数が増えても、座席はこのままにする予定です。外まわり中心の社員が全員そろって社内で勤務することはまずありませんから」。その分、専用に使える大きめの可動ワゴンを用意しているので、特に業務に支障はないという。今後も会社が成長を続け、社員数が増加していく際には効力を発揮しそうだ。
>>>ベンキュージャパンのレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 片岡正一郎