株式会社アイ・エンター
会社紹介
システム関連や人事採用のコンサルティング、営業代行などを手がけている株式会社アイ・エンター(以下アイ・エンター)は、創業以来、順調に成長を続けている気鋭のベンチャー企業だ。以前は渋谷駅から徒歩3分の場所にある約60m2のオフィスビルに入っていたが、従業員数の増加にともない手狭になったため、移転を決断。最寄駅から徒歩10分以内で経路がシンプルであることと、160m2以上の広さを確保できることを条件に物件を探し、現在の移転先を選んだ。レイアウト・デザインについては、社員同士はもちろん、顧客やビジネスパートナーなど、来客との交流が活性化することを最優先に意識したという。以降で、その構築法を見ていこう。
>>>インパクトと快適性を両立させる来客用スペース
エントランス 打ち合わせ用スペース  エントランスを含めた来客用スペースではパイン材を多用し、一見、飲食店に来たかと思うようなデザインに仕上げてある。「経営理念においても最重視している“楽しさ”が伝わるようにしたかったんですね。顧客や仕事上のパートナー、入社を検討している方など、どのような人にも“また来てみたい”と思っていただきたい。私は交流の活性化こそが事業成長の原動力だと考えていますが、このスペースはそのファーストステップになる場だと位置づけています」(アイ・エンター代表取締役・入江恭広氏、以下同)。ここには2カ所の会議用スペースや円テーブルを置いた打ち合わせ用スペース、重厚なソファを置いた応接用スペースがある。来訪者と、より実りあるやり取りを実現させるために、目的や親密度などに応じて使い分けられるようにしてあるわけだ。
>>>セクションごとに座席をまとめた執務スペース
執務スペース 執務机  執務スペースにはセクションごとに3つの島をつくってある。「以前は、どうやって人をスペース内に収めるかということだけで終始していたんです。今回の移転で、ようやく担当セクションごとにデスクをまとめられました。また、静かで集中できる環境が望ましい開発部門を奥に(写真内左)、アクティブな営業部門を出入り口の近くに(写真内右)、双方とやりとりする機会の多い管理部門を中心に配置したので、働きやすさも向上していると思います」。なお、執務机は、来客用スペースに合わせてパイン材の天板に統一。天板と脚を別々に依頼して組み立てたオーダー品だ。「デザイン上のこだわりから採用しましたが、発注から完成まで1カ月くらいかかるんですね。急には用立てられないことが、かえって採用計画や執務スペース内のレイアウトをきちんと考える動機づけになりました(笑)」。現在、社内で働く従業員数は15名だが、座席は22名分確保してある。これであと2年は対応できる見通しだという。
>>>顧客企業に常駐している社員にも配慮
社内用打ち合わせスペース  以前のアイ・エンターには打ち合わせに使える場所が1カ所しかなかったため、今回の移転では、既に紹介した来客用スペースを含めて、全6カ所にミーティングスペースを確保している。そのうち、執務スペース内に設置した2カ所については、単にスペース不足を解消する以外にも狙いがあるという。「当社には、普段は顧客のオフィスに常駐勤務する社員が25名います。実務面では、社内に個々の執務机は不要なのですが、まったく居場所がないのでは帰属意識が薄れてしまいます。そこで、会社に戻ってきたときに気軽に使える場所を提供しようと」。同社では、社員の一体感を高めたり、情報共有を徹底するために、月に一度、全社会議を実施している。執務スペースの一角に設けた社内用ミーティングスペースは、このときに全社員が着座できるようにという配慮でもある。こうした試みが功を奏して、外部に出向している社員は、終業後、自主的に本社に戻ってくるようになってきたという。
>>>社員のリクエストで誕生した学習用ブース
学習用ブース  同社の執務スペースの一角には、高いパーティションで仕切られた座席が2つある。「移転プロジェクトを進めているときに、社員から資格を取るための勉強用スペースを確保してほしいという声が上がったんです。もともと会社では専門の書籍を購入して置いていますから、それらを閲覧できる場所があれば、より効果的だというわけです」。もちろん、入江氏はこのリクエストにすぐ対応した。「社員が、移転やオフィス構築を他人ごとだと思わずに関わってきてくれたのがなによりもうれしいですね。また、顧客先に常駐している社員もよく活用しています。“人との交流の機会を増やせること”がオフィス構築のメインテーマでしたが、一定以上の成功を収められたと満足しています」
>>>アイ・エンターのレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 木内 博