株式会社セイシングループ
会社紹介
株式会社セイシングループは、塾や学校などへの講師派遣や家庭教師派遣、教育産業に特化したコンサルティング事業を手がけている企業だ。同社は、2006年2月に設立以来3度目となる移転を実施。過去2回の移転では社員増にともなうスペース不足を解消することに終始していたが、今回はオフィスの在り方を根本的に見直したという。人材とその成長が企業を躍進させる最大のファクターととらえる同社では、さまざまな側面からの執務環境整備が急務と考えたためだ。そこで、増強すべきスペースを洗い出し、前オフィスの約2倍の広さを確保。加えて、デザイン性の向上も図った。こうした試みがもたらす効果を探ってみよう。
>>>来訪者に強い印象を与えるエントランス
エントランス  以前は無機的な出入り口にすぎなかったというエントランスは、洗練されたデザインに生まれ変わった。「教育業界では、オフィスのデザインに無頓着な会社が多いんですよ。以前は、当社もその流れに傾きかけていましたが、このままではいけないと」(セイシングループ代表取締役・山田博史氏、以下同)。セイシングループの事業特性として、派遣登録の希望者や登録講師、教材メーカーの営業マンなど、来訪者が非常に多いことが挙げられる。それだけ、業界の常識にとらわれないオフィスづくりにも意義を見出せるわけだ。「複数の教育関連企業をまわっている方の多くは、なかば驚きながら“きれいなオフィスですね”といってくださいます。それだけインパクトを感じていただけているのだと思います」
>>>多数の来訪者に対応できる受付スペース
来訪者対応カウンター 報告書作成用カウンター  エントランスを入ったところには、受付スペースを配置。数多くの来訪者に対応するため、以前より大幅に拡張した。また、用途によって2種類のカウンターを用意。執務スペースと隣接したサイドは社員との面談用だ(上写真)。「座席数自体も増やしましたが、執務スペースとの仕切りにドアを設けることで、社員がスピーディに対応できるように配慮しました」。また、反対のサイドには書類作成用のカウンターを設置(下写真)。「派遣登録した講師は、毎月1日〜5日に定期連絡のために来社します。ここは、面談前に報告書を書いてもらうための専用スペースです」。以前は、空席待ちの人で受付スペースがあふれてしまうこともあったが、今回の措置で大幅に効率化を図れたという。また、柱の関係でデッドスペースとなる部分には黄色い円を並べたオブジェを配置。空間のデザイン性を高めるのに一役買っている。
>>>社員の女性比率アップに備えた執務スペース
執務スペース  執務スペースの什器のほとんどは、移転にともなって新調した。「女性比率はもともと高めですが、昨今の採用事情を考えても、より高まっていくと予測しています。そこで、什器や執務スペースのデザインは、特に女性に好感を抱いてもらえるように配慮しました。また、今回は実現できませんでしたが、次に移転する際には、託児所やカフェスペースなども確保したいと思っています」。なお、移転当時の社員数が15名だったのに対して、座席は倍以上の39設置した。「以前のオフィスでは、人が増えるのに合わせて座席を増やしていましたが、これだと途中から配属を度外視して空いたスペースに人を押しこむことになってしまう。そこで今回は、前もって各部署に最大の座席数を割り当てることにしました。これで、オフィスをより計画的に活用できると思います」
>>>打ち合わせスペースと研修室を新設して機能強化
打ち合わせスペース 研修室兼会議室  オフィス機能向上の一環として、打ち合わせスペース(上写真)と研修室兼会議室(下写真)も新設した。このうち、打ち合わせスペースは、一番静かな一角に配置。「以前は、来訪者の対応はすべて受付スペースに集約していたんですね。しかし、採用面接などを実施するのに不特定多数が出入りするような広い空間では不向きですから、落ち着いて話せるような場を2カ所確保しました」。また、講師や社員向けの研修は毎日のように実施しているが、これも以前は受付スペースで済ませていた。「研修や会議は、独立した集中できる環境になっていないと、本来の効果が上がりにくい。そこで、最大20名収容可能な個室を設けました」
 こうしてセイシングループは企業力をオフィス移転によって高めた。山田氏は「移転コストは企業の成長のための先行投資」だという。「今のオフィスも、2、3年で転出することになると思います。移転のたびに、働きやすさが向上していることを実感できるようにしていきたいですね」
>>>セイシングループのレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 片岡正一郎