クリアな仕切りを多様してオープンな社風を表現
レイス株式会社
会社紹介
レイスは、人材採用のコンサルティングを主要事業とするベンチャー企業だ。設立以来、成長に合わせてオフィス移転を重ねているが、この2〜3年で従業員数が大幅に増加したため、2006年1月に4回目の移転を実施した。先の事業計画や採用計画を見据えて、広さは以前の3倍を確保。来客を通す場所からは執務スペースの様子が分からないこと、管理部門の従業員と営業部門の従業員の交流があまり活発でなかったことなどの反省を踏まえ、新オフィスの構築では、既成概念に縛られないユニークなアイデアを多数取り入れている。働きやすさと斬新なデザインを融合させた様子を見てみよう。
>>>エントランスとその先の通路でサプライズを演出
エントランス 通路  企業の顔といえるエントランスは、照度を大幅に落としてある(上写真)。会社のロゴがプロジェクターで投映されているものの、一瞬、飲食店に入ったような印象を受けるほどだ。「まずは、ここで非日常を味わっていただき、先に進んだときの変化の大きさで、サプライズを体感していただこうというのが狙いです」(レイス専務取締役・田中正慶氏、以下同)。エントランスを抜けると通路になるが、側面はすべてガラス張り。エントランスとは一転して明るくなり、執務スペースが見渡せる(下写真)。「社外の方に当社の社風を感じていただくには、執務スペースをご覧いただくのが最も有効です。以前は、お客様を通すスペースと執務スペースが完全に分離していて、会社の雰囲気が伝わらなかったと思うんですね。そこで今回は、オフィスの中心部を抜けるように通路を配置して、仕切りを透明にしたのです」
>>>席替えに対応しやすい、長机を使った執務スペース
執務スペース  「社員の成長スピードを重視するというのがレイスのモットーです。優秀な従業員はどんどん昇格させて部下をつけますから、すぐに新しい課が生まれるんですね」。このため、執務スペースには長机を配置。座席の流動性が高いので、従業員は自分のワゴンとノートPCを移動させるだけで席替えに対応できるわけだ。なお、部署配置では、管理部門をあえて従業員用の出入り口付近に据えたという。担当業務の内容に配慮し、管理部門には静かな環境を用意する企業が多いなか、これは異色の試みだ。「管理部門の独立性を高めると、他の従業員と疎遠になってしまいます。しかし、本来は管理部門の者こそ部署を問わず多くの従業員と対話すべきだと考えました」
>>>バリエーション豊富な打ち合わせスペース
ミーティングスペース 面談スペース
和室
 来客向けのスペースは、オフィスの奥の一角に設けてある。いちばんオーソドックスなミーティングスペース(上写真)は、天井まで仕切られた独立性の高い空間だが、内部の仕切りは可動式で、会議の規模に応じて広さや部屋数を変えられるようになっている。また、オープンな面談スペース(中写真)は、守秘義務をともなわない気軽な話し合いの場として設置。従業員同士の打ち合わせにも活用されている。そして、ユニークなのが和室だ(下写真)。「リラックスムードが有効な会議のときなどに利用します。また、夜には従業員同士のコミュニケーションの場としても使います。会社や部署の改善点などをざっくばらんに話す場として重宝しています」。このほか、ラグジュアリーな応接室も2カ所設置してあり、話し合いの相手や内容に応じて、最適な場所を選択できるようになっている。
>>>従業員のリクエストで誕生した勉強室
勉強室  今回のオフィス構築では、従業員からのリクエストにも応じている。そのひとつが勉強室だ。「オフィスは全体的にオープンなつくりにしてありますが、静かで集中しやすいスペースも欲しいという声が多かったんですね。そこで個人で使えるブースを3カ所設けました。ほかに、気分転換用に窓に面してカウンター席を設置してほしいという要望も出て、やはり実現しています」。こうした対応で、従業員は、良質な執務環境だけでなく、自分の声が会社に届くという実感も得られる。田中氏は、今後も積極的に移転を実施していきたいという。「みんなで力を合わせて会社を成長させれば、より快適で楽しく働ける環境を手に入れられる――移転を通じて、すべての従業員にこんなふうに感じてもらえればと思っています」
>>>レイスのレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 片岡正一郎