事業のメインテーマであるデザイン性をオフィス自体で表現
株式会社デザインフィル
会社紹介
文具・雑貨の企画製造からWebサイトの製作まで、幅広くデザイン事業を手がけるデザインフィル(旧株式会社ミドリ:2007年7月に社名変更)は、30年以上、錦糸町の自社ビルで事業展開してきた。しかし、デザインを付加価値として位置づける企業としてワークスタイルを一新したいとの考えから移転を検討。トレンドの発信地にスタイリッシュなオフィスを構え、事業戦略の方向性を明確にアナウンスしようと考えたわけだ。以前は複数フロアにまたがっていた各部署を、ワンフロアに配置できることも条件に含めて物件を探し、恵比寿駅の近くにあるオフィスビルを選択した。コミュニケーションの活性化とデザイン性をメインテーマにした、同社の新オフィスを見てみよう。
>>>ショールーム、打ち合わせスペースなど多様な顔を持つエントランス
エントランス 展示ブース ラウンジ  エントランスを入ると、目の前には自社製作のプロモーション映像が投射された壁があり、その奥にはホールのようなスペースが広がる(上写真)。そして、中心部にはカウンターテーブルが設けられていて、両サイドには弧で仕切られた商品の展示ブースが確保してある(中写真)。「当社ではコーポレート・ゾーンと呼んでいます。エントランス機能だけでなく、顧客やビジネスパートナーなどとの交流をうながす機能ももたせてあります。気軽な打ち合わせならカウンター席を使えますし、商品を見ながら商談したい場合などは、展示ブース内のテーブル席を使える。また、商品の展示方法も工夫して、商品そのものを見せるだけでなく、販売店舗におけるディスプレイ方法の参考にしていただけるように配慮しています」(デザインフィル総合管理部・武知慶洋氏、以下同)。また、入り口から見て最奥部にあたるスペースは、カフェラウンジになっている(下写真)。「仕切りは開閉可能で、普段はクローズして社員用のミーティングスペースに充てています。お客様を招待してパーティーを開催するときなどは、この部分を開放すれば全体を広く使えるようになっているわけです」。さまざまなコミュニケーションを発生させ、デザイン性も高いこのスペースは、まさに新生デザインフィルの象徴となっている。
>>>フリーアドレス制を導入した執務スペース
執務スペース  冒頭でも触れたとおり、移転前の各部署は複数のフロアに分断されていた。それをフラットに配置できたため、社員間の連携のとりやすさは大幅に改善されたという。「社員同士が偶然に行き会うだけでも、ビジネスチャンスは生まれるものです。具体的な用事がなければ顔を合わせることのなかった以前に比べると、社員同士のつながりはかなり強化されましたね」。その効果をさらに高めているのがフリーアドレス制の導入だ。写真のように、長机を複数人でシェアするスタイルが基本で、個人の座席は決まっていない。「座席数を人数分確保したうえで、個々が座る場所は自由としています。当社では、営業部門とクリエイティブ部門など、セクションをまたいで連携をとるような業務が多いんですね。こういう場合でも、気兼ねなく都合のいい座席配置で働けるようにしようという狙いです」
>>>用途に合わせて選択できるミーティングスペース
ミーティングスペース ミーティングスペース(ソファ)  独立した打ち合わせ用のスペースは、3室確保した。上の写真は、壁一面がホワイトボードになっているタイプのミーティングスペースで、特にアイデアを活発に出し合いたいときなどには重宝しそうだ。下の写真は、ソファを置いたスペース。リラックスムードを高めたいときに有効だろう。「コーポレート・ゾーンも含めて、ミーティングの場は豊富です。雰囲気や機能にもバリエーションを持たせてありますから、打ち合わせの内容に合わせて最適なスペースを選べます。移転によって強化できた点のひとつですね」
>>>ガラスの壁の、風通しのよい会議室
大会議室  ミーティングスペースのほかに、大人数を収容できる会議室も確保。朝礼や、規模の大きな会議に使用しているという。写真を見てわかるとおり、特徴的なのは通路との間に透明の仕切りを採用していることだ。「だれがどこで何をしているか、すぐにわかるようにしようというコンセプトです。もちろん、来客を招く際などには、ブラインドを引いて外からの視線を遮断することも可能です」。ここまで、さまざまな工夫を見てきたが、対外的なアナウンス効果も十二分に発揮しているようだ。「当社のデザインを重視するというスタンスは、ひと目で伝わるようになりました。来客数も確実に増加しています。また、現在のところは事業分野ではありませんが、オフィスづくりについてご相談をいただくことも出てきました。ビジネスチャンスの拡大という意味でも効果的だったと思います」
>>>デザインフィルのレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 木内 博