緑が借景の立地、幅広デスクの設置など働く環境にも配慮
クックパッド株式会社(COOKPAD)
会社紹介
クックパッドは、料理のレシピ紹介サイトの運営をメイン事業に、成長を続けている企業だ。以前は北青山で約64坪のオフィスを構えていたが、人員増にともなって移転を検討。従業員にとって働きやすい環境を改めて考え、「緑・空気・光」をキーワードに、海外も含めてさまざまな物件を下見したという。結果、選択したのが白金台のビル。人員計画から割り出した200坪以上の広さを確保しつつ、都心部ながら手つかずの緑が生い茂る国立の自然教育園と隣接している点が決め手だった。移転を機に、ものづくりやサービスのあり方をじっくり考えるという原点回帰も図ったというオフィスの様子を見ていこう。
>>>事業のメインテーマに直結するキッチンを大胆に配置
キッチンスタジオ ラウンジ  クックパッドのオフィスで最大の特徴が、巨大なキッチンスタジオ(上写真)。「当社は、多くの方に料理を楽しんでもらうことを目的に事業展開しています。そこで、社員が率先して料理を楽しめる環境にあること、運営しているサイトに掲載する料理写真などを社内で撮影できること、訪れた方にひと目で当社の事業内容を理解していただくこと、という3つの理由から設置しました」(クックパッド代表執行役・佐野陽光氏、以下同)。キッチンスタジオは以前のオフィスにも設けていたが、新オフィスでは3組が同時に別の料理をつくれるような広さに拡大。動線なども事前に徹底的にシミュレーションしたため、効率よく使えるようになっている。また、キッチンスタジオに隣接して、広めのラウンジを配置(下写真)。ちょっとした接客や社内のミーティングなど、多目的スペースとして活用している。壁一面が窓になっていて、隣接地の豊かな緑と開放的な明るさがリラックスムードを高めている点にも注目したい。
>>>独創性と社員の思いを形にしたエントランスまわり
エントランス 写真パネル  上の写真は、クックパッドのエントランス。「設計者の方に会社の独創性をアピールしたいとリクエストして、石壁のような質感の資材を勧めてもらいました。当初はロゴをあしらったサインパネルを置くつもりでしたが、質感を生かしたほうがインパクトがあるという意見が出て、直接描き込んだんですよ」。また、エントランスを抜けた先の壁には、従業員の顔写真と新天地で事業に臨む意気込みが記されたパネルが並んでいる(下写真)。「今回の移転は、狭さを解消して終わりではない。全員で事業の原点に立ち返ってサービスや料理について考え、新しい挑戦を始めるきっかけにしようという決意表明でもあるんです。訪れた方に、その思いを理解していただければと考えました」
>>>幅広のデスクを採用したゆとりある執務スペース
執務スペース 和室  現在クックパッドの従業員数は約40名だが、執務スペース(上写真)は、人員計画を視野に入れて80名まで余裕を持って収容できるように確保してある。特徴的なのは、個々の執務デスクの幅が広いこと。「個々の働きやすさに配慮して幅150cmのものを新調しました。少人数なら、会議室まで移動しなくてもひとりの机に集まって話し合うことができます。コミュニケーションの面でも有効だと考えました」。さらに、以前はなかった社内の打ち合わせ専用の個室も設置(下写真)。和室というのが、またユニークだ。「移転前に社員からリクエストを集めたら、なぜか畳敷きの打ち合わせスペースが欲しいという声が多かったんです。気分転換の場やリラックスして話し合う場として効果的ですね」
>>>来客用会議室を3室新設
会議室  以前のオフィスで打ち合わせに使えるのは、上で紹介したような多目的のオープンスペースが1カ所と、会議室が1室だけだったという。「予約制にしていましたが、常に埋まっている状態で明らかに不足していたので、新オフィスでは会議室を3室確保しました。こちらは、基本的に社外の方との打ち合わせ用にしています。社員同士の打ち合わせは、執務スペース内と以前より広くしたラウンジでカバーできますので」。なお、会議室をはじめ社内にはホワイトボードを至るところに設置。打ち合わせ効率を上げている。また会議室の3室は、以前入居していた会社が使っていた仕切りをそのまま残したという。「広さと数もぴったりでしたが、改修が入ると多大なコストがかかる空調設備をそのまま生かすことができたのもよかったです」
>>> クックパッド株式会社(COOKPAD)のレイアウト図
レイアウト図
会社データ

text by 竹内太郎
photo by 飯田照明