赤坂プルデンシャルタワー
「個のワーク」×「コミュニケーション」掛けあわせで威力発揮の移転プラン
執務スペース全景 総合不動産業を営むジョーンズ ラング ラサール株式会社(以下JLL社)は、事業規模の拡大とともに年々従業員数が増加している成長企業だ。人員増によるスペース不足から移転が決定したとき、社内のプロジェクトマネージメント担当は、オフィスに対する要望や不満の調査から着手した。「各部署の責任者に、従業員の声を集めてもらいました。それをもとにコンセプトを決めていったんです」(JLLプロジェクトマネージャー・坂入充氏)。こうしてまとめたコンセプトのひとつが、オフィスで過ごす時間の長い従業員の執務環境改善だった。外出が多い責任者のスペースはオフィスの中心部(写真奥)に、従業員席はそのまわりを取り囲むよう(写真手前)に配置。従業員席には、窓からの光が差し込み開放感を感じられるような環境を用意したのだ。また、机やパーティションといったオフィス家具は、前オフィスから流用することで経費を節減している。
●従業員間のコミュニケーションを活性化させる通路の配置とゾーニング
レイアウト図

通路
コンサルティング、物件仲介、ファシリティマネジメント、物件管理など、同一案件を長期間フォローするのが同社の特徴だ。移転にあたっては、部署内、部署間のコミュニケーション活性化も重要な改善点だった。「特に重視したのは、社員同士の気軽な雑談で生まれる連携です。これは通路で発生することが多い」(坂入氏)。そこで実施したのが、主動線と副動線の明確化だ。全社員が行き来する主動線は、広めにとって動線をシンプルにした。一方、副動線は狭くして自然に利用者が限られるようにした。これで、部署内の会話は他の社員の行き来で遮られることがなくなる。また、メイン通路で発生する部署をまたいだ立ち話も、広さがあるため背後を気にしないで済むというわけだ。「パーティションは前のオフィスから持ち込みましたが、クロスを張り替えて、机上の高さにコンセントやLANジャックを設けることによって、新調したように見えます」(坂入氏)
●社長室もコミュニケーション重視
社長室 社長室は、執務スペースの中心に配置した。また、壁をガラス張りにしたことで、お互いの顔が見えるようになっている。社長からは全従業員の様子が見渡せるし、開放感があるために従業員にとっては気軽に出入りできる。こういった点も、コミュニケーションの活性化につながっている。
●ミーティングスペースと執務スペースも明確に区分
レイアウト図

ラウンジ
以前は、執務スペース内に会議室や応接室があった。来客には、従業員の間を通ってもらう必要があったわけだ。これは、来客にとっても従業員にとっても快適とはいえない。そこで、新オフィスではミーティングスペースをフロアの一角に集約。来客はエントランスを入ってからすぐに会議室や応接室に行けるし、従業員も来客によって作業を中断することがなくなった。また、写真のようなラウンジも設置。休憩やちょっとしたミーティングに利用できるスペースは、以前はまったく確保できなかったためか、従業員の評判もいいという。
●ひと目で印象に残るインパクトあるエントランス
エントランス エントランスは企業の顔だ。「当社は、社名が長くて覚えづらいですよね(笑)。それなら、来社した方にはエントランスの様子で印象に残してもらおうと」(JLL代表取締役・浜岡洋一郎氏)。そのため、床にはルーブル美術館に使われているものと同じ石を敷き詰め、壁にはハードメープルを採用。間接照明を随所に配置したため、重厚感ある落ち着いた雰囲気ながら、明るさもある。「エントランスには、"本物"を使うことにこだわりました。いい意味で外資系企業らしい仕上がりになったと思います」(坂入氏)
●実施するからには120%の成果を上げる移転を!
「オフィス移転は、費用面でも従業員の労力といった面でも膨大なエネルギーを必要とします。せっかくエネルギーを使うなら、考えうるあらゆる問題点をクリアして120%の成果を上げるつもりで臨むべきです」(浜岡氏)。事業所移転に関する諸業務も主要事業である同社の場合、執務環境の改善と同時に、クライアントに対してモデルとなるような移転にする必要があった。そういった意味でも、アピール度の高いオフィスづくりを実現できたといえそうだ。 DATA