従業員の業務効率を改善しつつ、宣伝効果も上げる移転
執務スペース全景 FMラジオ放送を主業務とする株式会社J-WAVE(以下J-WAVE)。ひとつのプロジェクトを営業、制作、編成など複数部署が連携して進めるケースが多い。移転前のオフィスは、3フロアに分断されていたため、いまひとつ連携にもどかしさがあった。「2003年の開局15周年に向けてモニュメンタルなイベントを模索していたこともあって、2002年から本格的に移転を検討しはじめました」(J-WAVE経営企画室室長・若林元英氏)。そして移転先に決まったのが、六本木ヒルズの森タワーだ。ここなら全部署をフラットに配置できるため、以前の問題を解消できる。話題の六本木ヒルズへの移転は、開局15周年という節目を飾るのにも、世間へのPRが至上命題である業種から考えても絶好の選択だったわけだ。「目指したのは第二の開局です。自分たちが本当に使いやすいオフィスを構築するために、既存のオフィスや固定概念にとらわれないゼロベース発想でアイディアを出し合いました」(若林氏)。こうして、新オフィスの執務スペースでは、座席間のパーティションを低くしたり、ミーティングスペースを多く配置。オープンでコミュニケーションをとりやすい環境を構築した。
●明るさや33階からの眺めは、来客に提供
ミーティングルーム 執務ゾーンのレイアウトでは、来客や社員に配慮。通常、窓際は役員室を配置する企業が多いが、「当社では、一番明るくて眺めがいい場所にミーティングエリアを配置しました。ここに案内したお客様の多くが眺望に感心してくださいます。小さなことですが、こんな点も顧客満足や宣伝戦略につながりますよね」(若林氏)。また、ミーティングエリアと執務エリアの仕切りはガラスを採用。社員も明るさや眺望の良さを体感できるようになっている。
●業務内容がまったく違っても一体感を失わないゾーニング
ロビースペース 社員用の執務ゾーンと放送現場用のスタジオゾーンの間に、写真のようなロビースペースを設けてオフィスを二分している。放送現場は、制作会社やアーティストなど、主に社外のスタッフが担当している。営業、制作、編成といった社内の社員とは、勤務時間や業態が大きく異なるのが特徴だ。「壁で完全に仕切ってしまっては、せっかくワンフロアに集約させた意味が半減してしまいます。一体感を保ちつつ、ゾーニングを明確にしようという狙いから、このようなスペースを確保しました」(J-WAVE経営企画室・松崎重子氏)。
●出社時間が不規則な外部スタッフにはフリーアドレススペースを用意
ディレクターズルーム 社外スタッフは、担当する番組によって出社時間がバラバラだ。また、番組内容に関する打ち合わせの頻度が高い。こうした実情を考慮して、ディレクターズスペースには複数人が席につけるテーブルを置いた。テーブルの上面からは、電源をとったりLAN接続ができるようにしてあるため、パソコンを使った調べ物にも便利だ。なお、制作現場では人の行き来が多いのも特徴。このため、段差をつけたりプランターを置くことで主動線を明確にしてある。
●各スタジオは、用途に合わせて効果を最大に上げられる配置
スタジオ J-WAVEには生放送・番組収録用のスタジオが5部屋ある。写真は窓際に配置された生放送用のスタジオ。窓はもちろん、室内との仕切りにもガラスが採用してある。出演者は屋外の様子やスタッフの動きなどを見ながら話せるので、よりライブ感の高い放送が可能になっている。一方、録音用のスタジオは壁で仕切って、収録に集中できるようにしてある。
●斬新なデザインのレセプションエリアは、会社の印象を強くアピール
レセプションエリア エントランスからオフィスに繋がるレセプションエリアは、SF映画に出てきそうなデザイン。廊下部分と天井部分の光源にはLEDを採用してあって、ブルーの光が流れるように動いている。こうした光の演出や通路沿いに並べられた英字のポスターを見れば、ここが最先端の情報発信基地であることがすぐに連想できるし、訪問客の印象に強く残るというわけだ。
●J-WAVEのレイアウト図
レイアウト図
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