問題点の洗い出しで、移転を課題解決の契機に。コミュニケーション、業務効率アップを実現
執務スペース全景 株式会社新進商会(以下新進商会)は、もともと入居していたビルのオーナーが替わり、退去しなければならなくなったことで、移転が決定した企業だ。「急でしたが、どうせ移転するなら執務環境改善につなげようと、従来の問題点を洗い出しました」(新進商会総務部長・森田正成氏)。そこで浮かび上がったのが以下の3点だった。
(1)緊密に連携をとるべき部署同士が離れていたり、同一部署でもフロアをまたいでいること
(2)商談や社員同士のミーティングの場が少ないこと
(3)社員が使う机やイスの規格がバラバラで、組織改変の際に移動が大変なこと
(1)と(2)については、ワンフロア当たりの面積が約320坪(以前の約3倍)ある物件を1.5フロア分借りることで解消。(3)については社内で一番ポピュラーな机・イスを残し、それと同一規格の什器を新調することで仕様を統一した。組織改変の場合も、工事の伴うレイアウト変更は避け、人間と引き出しワゴンの移動だけにする予定だ。
●眺望が開けた開放感を最大限に生かしてレイアウト
眺望&窓際のミーティングルーム 移転先のビルは、まさにウオーターフロントという立地で、ベイブリッジが目の前にある。「以前は、地下室にも執務スペースがあったことを考えると、大幅に印象が変わりました。せっかく環境が改善したわけですから、背の高いキャビネットやパーティションは極力使わずに、明るさや開放感を感じられるようなレイアウトにしたんです」(同氏)。その一環として、窓際には社員用のミーティングスペースを配置。これで、外からの光がオフィスの奥まで届く。最新の家具で統一されていなくとも、清潔感あふれる居心地のいいフロアとなっている。
●大人数で使えるミーティングスペースや商談コーナーを設置
営業部中央のミーティングスペース

商業スペース
移転後は、営業本部の社員をワンフロアにまとめられたが、同時に、中心部分に広めのミーティングスペース(上写真)と商談コーナー(下写真)を確保できた。「ミーティングスペースのデスクは、ちょっと変わったデザインのものを選んでみました。移転してから1カ月もたっていないので、まだ戸惑っているようですが、そのうち有効利用してくれるでしょう(笑)」(同氏)。
また、一角には金属フレームで囲まれた商談スペースも設置。ロールカーテンを使えば、必要に応じて仕切れるようになっている。
●社員の憩いの場も新たに提供
リフレッシュルーム 広さに余裕が出たことで、小休止や昼食時に使えるリフレッシュルームも設置した。見晴らしがいい海側の一角に配置して、文字どおり「リフレッシュ」しやすい環境になっている点にも注目したい。このように社員同士がリラックスして会話できるスペースが増えると、雑談のなかからビジネス上の新たな発想なども生まれやすくなる。社員にとっても会社にとってもプラスに働く可能性が広がるのだ。
●立地面では将来性を見越して選択
バス 同社の移転先のビルは、最寄りの田町駅から徒歩20分くらいかかってしまうのがネックだ。ただし、田町駅からビルまでは無料のバスが出ているため、これでカバーできる。「現在建設中の橋が完成すると、駅からまっすぐ歩いて来られるので、徒歩10分くらいになる予定なんです」(同氏)。また、現在のビルは、以前より築浅で天井が高いというメリットもあるが、坪単価は変わらないという。将来的にはアクセス面での利便性が向上することも考えれば、費用を抑えつつ最大限の改善効果を上げられた移転になったといえそうだ。
●レイアウト図(10階部分。15階にも執務スペース有り)
レイアウト図
会社データ