オフィスよろず話 移転企業とパートナーシップ

vol.2 オフィスの防災対策をどうするか
個人情報保護法の施行以来、情報の適切な管理・運用は企業責任としていっそう重要視されるようになってきた。では、オフィスづくりを考えるうえで、情報セキュリティを強化していくための基本姿勢とは? またすぐに取り組める対策としてはどんなものがあるのか? 企業の情報セキュリティ診断やコンサルティングを行う専門家、ヤマトシステム開発株式会社の槇裕史氏(セキュリティ営業部長)にお話をうかがった。

情報を守ることは企業の信用を守ること
  企業にとって、個人データなどの情報保護に対する取り組み方は、企業評価を左右する重要なファクターになってきている。
  個人情報保護法では、「個人情報を取り扱う事業者は、個人データの必要かつ適切な取り扱いをするために、内部体制や規律の整備を図り、相応のセキュリティ対策を行うこと」と規定し、「その漏えい・滅失の防止、その他安全管理の必要かつ適切な措置を講じること」を求めている。これからのオフィスづくりには、情報セキュリティ対策がますます重視されていくはずだ。
  従来の日本のオフィスでは情報の取り扱いについてのセキュリティ意識が低かった。つまり、「もし悪意をもって不正行為を働こうと思えば、簡単にできてしまうオフィス環境」だったわけである。実際、情報が価値を生み、お金になるこの時代、顧客や個人情報の漏えい事件が多発している現実がある。
  これに対するセキュリティ対策の根幹は、「情報保護の重要性を認識させ、不正な行為をできるだけ“やりにくくする”オフィスづくりをすること」と槇氏は言う。「データへのアクセスや入退出のチェック機能を強化して、オフィス内で悪意を起こさせず、不正行為をできなくするための防波堤を築くことです。パソコン一台一台のパスワード管理や、監視カメラやICカードによる入退出のセキュリティ強化、書類の廃棄法の統一など、どんなオフィスでもすぐに取り組める対策はたくさんあります。それをやるかやらないかは結局、企業の精神の問題なんです」。
  槇氏は、情報の保護に対する企業の“精神”を明確にし、社員に徹底させるためにまず必要なのがコンプライアンス・プログラム、つまり情報の運用管理の社内ルールをつくることだと言う。「まずは、自分たちの会社で情報を管理し守っていく必要性を共有し、ルールを明確にして、社員に参加意識を持たせましょう。その上で、このオフィスで何ができるか、何が必要かを考えて、できることから導入していくことが大事なのです」。
  その意識づけを徹底させるためには、個人情報のセキュリティマネジメント規格として注目されるプライバシーマーク(通称Pマーク)の取得も有効だ。これはいわば個人情報の取り扱いを適切に行っている民間事業者であるという御墨付きのマーク。これを持つことによって、社会に対し、自社の意識の高さをアピールすることが可能です。また同時に、従業員の気持ちも自ずと変わるでしょう。
  ヤマトシステム開発ももちろんPマーク取得済みだ。本社ビルを案内してもらうと、いたるところで最新のセキュリティシステムが働き、災害対策を含めてビルそのものがまさにセキュリティの要塞という印象。顧客から預かった大切な情報を守る強固な姿勢を、オフィス全体が体現しているようであった。

プライバシーマーク(通称Pマーク)
個人情報保護に関する情報セキュリティマネジメントシステムを対象とした国内規格。財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)によって審査・認定される。個人情報保護法の制定とともに大変注目を浴びている制度。現在約2000社が認定を受けており、今後はこのPマーク取得を取引き条件や入札条件とする企業・官公庁が増えていくと予測されている。

取材協力:ヤマトシステム開発
宅急便のヤマト運輸をはじめヤマトグループの情報システムを三十余年にわたり支え続けている会社。システム設計・開発や、情報の保護・管理に関する豊富な経験とノウハウをもとに、企業の情報セキュリティのコンサルティングや、PマークおよびISMS認証取得支援サービスを提供している。(本社/東京・江東区)



ヤマトシステムでは、顧客のサーバを社内のデータセンターで管理・運用するサーバハウジングサービスを実施。ハッカーからの侵入防御や、障害発生時の早期復旧などに高い効果が望める。
ヤマトシステム開発が
導入するセキュリティ機器


各部屋の前には『指紋照合』による本人確認システムを設置。部署や役職による階層的なセキュリティをかけている。


部署間での書類等はこのBOXを経由して行う。以前は警備員を配していたが、キーコード付のBOX設置によりセキュリティも強化され、人件費も削減。


社員の入退出はすべてこのゲートで管理。個人IDを通すことで出退勤も管理している。センサーの精度は駅の自動改札よりも高いとか。