オフィスよろず話 「記録管理」のプロの視点

vol.5 これからの企業に求められる情報管理の基本とは
今、日本の企業にもっとも求められていることの一つが、文書管理・情報管理への認識を高め、組織的に取組むことである。どのような認識を持って何から取り組んでいけばよいのか? 企業の記録管理のコンサルティング業務を行っている日本レコードマネジメント株式会社の小谷允志氏にお話を伺った。
小谷允志氏 日本レコードマネジメント株式会社
小谷允志氏
重要なのは記録のライフサイクルを管理をすること
  「情報と一口に言っても、そのほとんどは文書のこと。つまり紙や電子メディアなど何らかの媒体に記録されたものです。昨今、情報管理の重要性が話題になっているにもかかわらず、文書管理がおざなりになっている。まずその部分から意識改革が必要ですね。そして文書の中の保全すべき記録を適切に管理することがレコードマネジメント(記録管理)ということです」
  このレコードマネジメントとしての取組みが日本の企業では立ち遅れていると小谷さんは指摘する。アメリカのほとんどの企業にはレコードマネージャーと呼ばれる専任のスペシャリストがいて厳密な記録管理が行われている。日本では単なるファイルの保管などと一緒のレベルで考えてしまいがちで、文書と記録を区別して管理していないのだが、その違いはどんな点にあるのだろうか。
  「文書管理というとどうしてもファイリングシステムというイメージが強いですね。ファイリングはいわば何がどこにしまってあってどこから取り出せるかというモノの管理であり、あくまでも文書整理なんです。ではレコードマネジメントとは何かというと、記録の作成から始まって、処理・保管・保存・処分までトータルなライフサイクルを管理をするということ。もちろん紙の文書だけでなく電子媒体やサーバに記録されたものすべてについて、組織として責任を持って管理するということです」
  記録のライフサイクルを管理するレコードマネジメント
文書・記録管理にどのように取組んでいけばよいか
1.文書・記録管理の目的を明確にする
何のために文書・記録を保管するのかという方針を明確にすることが重要。すなわち説明責任、リスク管理、ナレッジの活用など、組織ごとの記録管理の目的を明らかにする。
2.ルールをつくる
会社としてのポリシーをもとに文書・記録管理のルールを決めること。全社的には困難であれば部門単位、課単位でもよい。作成〜保管〜廃棄まで実務に密着したルールづくりをしよう。とくに大事なのは「分類体系」と「保存期間」を共通のルールとして設定し、実行すること。
3.組織と個人の文書・記録をはっきり分ける
組織のものと個人に属する文書・記録を分けて管理する。紙もパソコン内のデータも同じで、いっしょくたにすると必ず管理がルーズになる。私用パソコンに業務文書を入れて自宅で仕事をするようなケースを規制することも大事。
取材協力:
日本レコードマネジメント株式会社
1976年設立。全国の電力会社や自治体の文書・情報管理を担ってきた実績とノウハウを生かし、企業ニーズに合わせた文書・情報管理のコンサルティング、システム構築、電子化など、レコードマネジメント全般における最先端のノウハウを提供している。(本社/東京・千代田区)